44歳、職業・女装子。
これが今の私の肩書きです。
初めて女装をしたのは40歳の時。
それまでの私はヘドロの中をもがくような人生でした。
これは女装をきっかけにクソったれた生活から這い上がった一人の男の話です。
20代で借金生活
父が亡くなり、多額の借金を相続する羽目になったのは21歳の時でした。
といっても父が亡くなった時点で借金の存在は知りませんでした。
自宅は持ち家、預金もそれなりにあっただけにこれを使えば当時通っていた大学にもそのまま通えそうだと安易に相続してしまったのです。
ところが、それから数ヶ月経った頃。見知らぬ人間が自宅を訪ねてきました。
そして父の借金を返済するよう迫られたのです。
“とりあえず5万、10万だけでもいいから返してほしい”
このような事を言われました。
この時点で一度保留にして誰かに相談していればまだ救われたかもしれません。
けれど私は相手の勢いに押された事もあり、5万程度なら…と渡してしまいました。
この事で私は父の借金を相続し、なおかつ返済する意思があると判断されてしまったのです。
父の本来の借金は数千万。
最初に相続した財産では到底まかなえる額ではありませんでした。
ちなみに母は私が10歳の頃に他の男と出来てしまい離婚。
その後は一切交流はありません。
ゆえに母に頼る事も出来ません。
私は借金を少しでも返すため大学を辞め、自宅を売らざるを得ませんでした。
それでも結局700万もの借金が残ってしまったのです。
職場でセクハラ被害の日々
大学を辞め、自宅も失った私は働くしかありませんでした。
もし私が本物の女性なら、風俗ででも働いて手っ取り早く稼げたかもしれません。
けれど当時は女性どころか女装にすら興味もなかった普通の男。
その上、大学も中退で学歴は高卒です。
そんな私でも比較的高収入を得られるのは肉体労働くらいしかありませんでした。
職は幸いすんなり見つかりました。
寮付きの工場勤務です。
家もなくした私にとってはそれなりに収入もあって住む場所も得られるのは好条件だと思いました。
けれどこの選択が間違いだったと気付くまでさほど時間はかかりませんでした。
私はどちらかというと貧弱な体型でなおかつ肉体労働など初めて。
先輩や同僚からは格好のイジメ対象となってしまったのです。
最初は暴言から始まりました。
そのうち殴る蹴るが当たり前になり、最終的には性的なイジメにまで発展。
その内容はみんなの前でオナニーさせられたり、チンポを舐めさせられたりといったものです。
断ればもちろん暴力が待っています。
私は従うしかありませんでした。
男ばかりの寮なので一番軟弱な私が性欲のはけ口のターゲットになってしまったようでした。
こんな職場、辞められるならすぐに辞めたい。
逃げ出したい。
そんな思いでいっぱいでしたが、私には多額の借金があります。
こんな仕打ちを受けても仕事を失っては借金を返せません。
私はこの環境から逃げ出す事はできませんでした。
「ほら、もっと足開いてみんなに見えるようにセンズリしろよ!」
「最近シテなくて溜ってんだよ。チンポしゃぶってくれよ」
こんな事を言われながら慰み者となり、セクハラを受ける日々を送りました。
先輩と一線を越えた夜
今思えば先輩はホモだったのかもしれません。
オナニーやフェラチオを命令してきたのもその先輩が発端でした。
その日、私は酔った先輩とたまたま鉢合わせしてしまった事で絡まれました。
「お前、これから俺の部屋に来いよ」
ああ、またフェラチオさせらるのか…と思いました。
拒否すれば殴られるのは分かっていますし、この頃にはもうフェラチオくらいで動じる事もなくなっていました。
先輩の部屋へ行くと、いきなり押し倒されキスされました。
口いっぱいにアルコールの臭いが広がり思わず吐き気がこみ上げます。
意外かもしれませんがこんな事は初めてでした。
フェラチオさせてるのだからキスくらいしてるのでは?と思われるかもしれませんが、そういう事は一切ありませんでした。
だからこそキスされて不快感と同時に驚いたのです。
それにフェラチオは単なる性欲処理行為。
ヌキたいからフェラチオさせるのはオナホを使うのと同じようなものなのだろうと思ってました。
でもキスは本来好きな相手、もしくは恋愛対象になる相手とするものでは?とも思いました。
先輩が舌で口内を乱暴に掻き回す間、私は何で?何で…??という思いでいっぱいでした。
ひとしきりキスをすると、今度は服を剥ぎ取られます。
これも初めての事でした。
乳首を吸われて舐め回されます。