皆さんは「家畜人ヤプー」という本を知っていますか?
これは元は「奇譚クラブ」という昭和の伝説的なカストリ雑誌に掲載されていた作品です。
内容はSMといえばSMなのですがそのあまりにもぶっ飛んだ内容から熱狂的信者を多数生み出したこれまた伝説の作品。
作者の沼正三が覆面作家ということもあり、その正体が誰なのかをということも話題になったそうです。
オリジナルは小説ですが今ではマンガも出版されていて未だにSM界隈では有名でファンも多数。
「家畜人ヤプー」では女性が男性を支配するという女権社会で、男性は女性を満たすためだけの存在として描かれています。
便器としての人間、家具としての人間、乗り物としての人間などここでは書ききれないぐらいの細かい描写、「セッチン」という肉便器を始めとした多数の専門用語など究極のSMとも言える内容で今読んでもかなり衝撃的。
オリジナルが発表された当時は戦後間もない時代だったのでさらにその衝撃は大きかったと思われます。
ということで今回はそんな「家畜人ヤプー」的な奴隷としての心得、人体改造といった側面からSMを取り上げてみようかと思います。
心を捧げることはSMプレイのある意味行きつく先。興味のある方はどうぞ。
奴隷としての心得
奴隷として大切なのは女性へのご奉仕の精神。
本当のM男は自分が気持ちよくなりたいなどと考えてはいけません。
女性の快感=自分の快感と考えます。
そのためにM男は全力を尽くします。
そこには女性に気に入られたい、可愛がられたいといった下衆な下心もありません。
あるのは女性への尊敬と敬意だけです。
真のM男のSMプレイは自分のSM的変態性欲を満たすためではなく、女性への忠誠心の表現としての行為でしかありません。
よく「自分はMだ」という人を見かけますがそういう人はだいたいただ自分が性欲を満たしたいだけです。
実際にMかもしれませんが「まず自分が気持ちよくなりたい」ということが先にあります。
そういった人が「エゴマゾ」と呼ばれるようにこれは女王様への奉仕の気持ちでもなんでもなくてただのエゴイズムです。
奴隷としての心得として大事なのは女王様への「服従」ではなく「忠誠」の精神。
女王様がどういうことをすれば喜ぶかという喜ぶ顔を思い浮かべて尽くすのが真のM男のあり方です。
家畜人ヤプー的プレイ紹介
家畜人ヤプーには様々なSM的要素が登場します。
家畜人ヤプーっぽさを再現できるSMプレイを実際のSMプレイに照らし合わせて選んでみました。
以下のプレイを見てみれば家畜人ヤプーを知らない方でも家畜人ヤプーという作品がどういった作品なのかというその片鱗が掴めるかもしれません。
①聖水プレイ
聖水プレイの聖水とはおしっこのこと。
家畜人ヤプーでは人間便器にされた男性が登場しますがその気分を味わえるのが聖水プレイです。
女王様のおしっこを聖水のようにありがたく浴びたり飲んだり、女王様への高い忠誠を示すことができるプレイ。
人の排泄物を口に含むなんて相手がいくら女性であってもなかなかできるものではありません。
これができるようになれば女王様はさぞかしお喜びになられるでしょう。
②黄金プレイ
黄金プレイの黄金とはSM界のスラング(隠語)でウンコのことです。
聖水プレイのおしっこ以上に臭いも食感も強くハードルはかなり高め。
直前に食べたものによっても味や食感はかなり左右されます。
ウンコといえば人が体外に出すいちばん汚い物。
それを全て受け入れることでM男はこの上ない女王様への忠誠を示すことができるでしょう。
③嘔吐プレイ
嘔吐プレイは相手の吐き出した嘔吐物(ゲロ)を再び口に含むプレイ。
ゲロはおしっこやウンコとはまた違った苦みや酸味があるのでこれも飲み込むのはかなりきついです。
これらの中ではゲロは一応相手が食べた物感がいちばん出るので、ウンコやおしっこに比べると人によっては多少ハードルは低いかもしれません。
これも女王様への限りない忠誠と愛を示すことができる美しいプレイです。
④家具プレイ・ポゼッションプレイ
ポゼッションとは所有物という意味を持つ英単語。
SM的にはかなりマニアックなプレイで明確な定義などは定まっていません。
椅子やテーブルやベッド、照明やその他装飾品などとして人を人として見ないという極端なプレイ。
相手を家具や道具として扱うといったこれも家畜人ヤプー的なプレイだと言えるでしょう。
放置プレイでもあり羞恥プレイでもある、というそんな感じのプレイです。
男ができる人体改造
家畜人ヤプーは女権社会で男性は全て女性に都合のいいように肉体を変化させられて生きています。
しかし物語内で描かれていることは現実ではさすがにそこまではできません。
そこで人体改造を実際に行うとするとどういった種類があるのか。
現実的な人体改造のパターンを紹介します。
①スプリットタン
小説と映画の「蛇にピアス」でも話題になったので有名なのがスプリットタン。
スプリットは「裂く」や「分裂」を意味する英語でタンは「舌」。
ということで舌を二つに裂くという人体改造です。
やり方はレーザーによる施術または舌ピアスで穴を作り、その穴を大きくしていき最後にぶった切るという二通りが主流。
人体改造の中では定番ですが見た目のグロさ(かっこよさ)はかなりのもの。
見た目痛そうですがやっぱり実際にもやる時は痛いそうです。
②インプラント
インプラントとは皮膚の下に何か異物を埋め込むという行為。
額にツノを生えたように見せたりするのがわかりやすいインプラントの例。
ツノ以外にも皮膚に模様を付けるべくシリコンを埋め込んだり、磁石を埋め込んだりする場合も。
「サブダーマルインプラント」と呼ばれる皮膚下に完全に埋め込むスタイルと「トランスダーマルインプラント」と呼ばれる皮膚の上に埋め込んだその器具を見せる形で露出させる2つのやり方があります。
③スカリフィケーション
スカリフィケーションとは皮膚を傷付けその傷や火傷の痕などでデザインを描くという人体改造。
聞いただけで痛そうですね。
墨を入れないタトゥーのようなものと思えばわかりやすいかもしれません。
完成した写真を見ると綺麗だったりしますがその過程を考えるとかなり痛々しいものがあります。
元々はアフリカの部族の文化だったものがボディアートとして広まったのが人体改造におけるスカリフィケーションだとされているようです。
④肥大化
肥大化でよく行われるパーツはさせる場所は乳首とクリトリスです。
吸引用のポンプなどを使ってそれらのパーツを日常的に吸い上げることで肥大化を行います。
そういった性感帯を肥大化することで感度アップと見た目の卑猥化ができます。
人体改造の中では比較的簡単にできる部類ですが、かと言って安易に行うのは禁物。
一度肥大化させてしまうと元に戻らないもしくは完全には戻らないといったケースも考えられるからです。
勢いだけで肥大化させるのはやめておきましょう。
⑤眼球タトゥー
眼球タトゥーとは白目の部分に色を入れるというタトゥー。
視力や感染症などリスクもそれなりにあるかなりハードな改造で見た目は完全に宇宙人。
眼球タトゥーは技術自体が新しく、白目にインクを入れることで長期的にどうなるかといったデータはまだまだありません。
そのため安全面を疑問視する声もあります。
日本では2021年現在でも施術をしてくれるスタジオはない模様です。
まとめ
といった感じでかなりマニアックな家畜人ヤプーと人体改造。
Amazonでグッズも安く簡単に手に入り、SMのソフト化が広まる中でもこれだけは絶対に浸透しないこと間違いなし。
また「家畜人ヤプー」はあの三島由紀夫も絶賛したという逸話が残っているほどの作品。
SM好きな人は是非一度読んでみて欲しいです。
小説は600ページレベルの分厚さでしかも全5巻というボリュームなので最初は読みやすいマンガがおすすめです!