いわゆるスカトロという言葉はスカトロジーの略称であり、これ自体は糞便学と呼ばれる学問の分類に過ぎません。
そのためBDSMなどのアダルト業界でスカトロと呼称する場合、それは一般的に糞尿愛好症と呼ばれる性的倒錯の一種を表します。
この糞尿愛好を理解できる人の人口は日本国内だとそれほど多くないだろうと考える人が多いようですが、実際はその逆でとても多いとされていたりします。
実際、スカトロ系のプレイを専門に扱うマニアックなAVや雑誌などは、日本国内のみならず世界中で売れに売れているようです。
そんな彼らスカトロマニアたちに対して、糞尿などの汚物に一体なんの魅力があるのかと疑問に思う人が多いのもまた事実でしょう。
そこで今回はそんな理解が広まり難いスカトロの醍醐味というものを、スカトロマニアがスカトロに目覚めたきっかけを調べてみることで詳細に分析、考察してみようと思います。
成長の過程で歪んだ結果とされる説
実際にスカトロが好きな男女にそれを好きになったきっかけを聞いてみると、そのきっかけを具体的に説明できる人がとても少ないということがまず分かると思います。
これは単にそのきっかけについて話すことが恥ずかしいという理由もあるかもしれませんが、ほとんどの人は実際に自分がスカトロマニアである理由やそうなったきっかけに対して無自覚な場合が多いようです。
その理由にはさまざまな説が挙げられると思いますが、中でも特に説得力がある説として知られているのが、その人が幼少期に成長の過程で受けた何らかのトラウマが起因しているという説です。
特に心理学のパイオニアとして名高いフロイトが提唱した肛門期などの概念は、スカトロマニアの多くがこれにあたる時期に何らかの出来事に関わって大きく性的嗜好を変化させたという可能性を示唆してくれます。
実際とても厳しい性格の両親に厳しく何度もトイレトレーニングを受けた結果、排せつに対して嫌悪や不安を持ちすぎた結果、逆にそれに性的興奮を覚えるようになったという人が多いようです。
スカトロプレイを楽しむ大人の男女が、いわゆる逆トイレトレーニングと呼ばれる行為を実践することも多いということを考えると、なおさらその肛門期におけるトラウマなどの影響は大きなものであるかのように考えられます。
非常に大きなトラウマ体験によるもの説
前述したような幼少期の成長過程におけるトラウマなどは、親の教育方針が少し逸れただけで起きてしまうほどに、それほど少ないケースではないと考えられます。
しかしそれらの軽いケースとは違って極めて重いケース、大きなトラウマをきっかけにスカトロに目覚めた人も少なからず居るようです。
一例として市民生活の中でも不衛生な環境が多く発生していた時代、特に戦争が重なった時代には、世界各国で糞便に関わるトラブルは多数起こっていたようです。
行きたい時にトイレに行けないことが多いのはもちろんのこと、生き永らえるために汚物塗れの場所に潜り込んだ人も多数居るようで、そういったシチュエーションは想像も容易いでしょう。
そしてそんな状況を大人になってからではなく、まだ幼い時に受けていれば、それはスカトロに対する興味を生むきっかけになってもおかしくありません。
私が以前聞いた一つの話によると、戦争中に糞便だらけの防空壕の中に閉じ込められ、そこで母親だけを頼りに生き延びた少年時代を語る人が居たという話を聞きました。
いつ命が失われてもおかしくない時に、汚らしい場所に押し込められ、そこで唯一頼りになる女性といく度も夜を過ごしたと考えると、たしかにそのような体験はその人の将来に大きな影響を及ぼすように思えます。
このように人によっては人類の歴史と深く関わるくらいに大きなきっかけがあってスカトロマニアとして目覚めることもあるようで、とても興味深い点であると思います。
本来の理由はどうあれ自覚したきっかけは様々
ここまでに書いたように、人がスカトロと呼ばれる性的倒錯の一種に目覚める本来の理由は、ほとんどの場合成長過程やトラウマに関わる部分にあるようです。
しかし、実際に自分自身で自分のその特殊な性癖を自覚するきっかけになる出来事は、人によって数えきれないくらい様々なようです。
たとえばあるドラマの排せつシーンに影響されたとか、小説や映画、マンガやアニメの影響だとか、学校での出来事や家庭内でのトラブルなどなど、とにかくほんの少しのきっかけが生じたことによってスカトロに目覚めたという人は多いみたいです。
そして一度自分がスカトロという特殊性愛に興味があると自覚したなら、その後はそれに無意識に執着してしまう人が多かったり、意識的にスカトロに関わるものに触れようとする人も多いようです。
ここまでに書いたようにスカトロマニアがスカトロに目覚めたきっかけは、他の性癖と同様に多様なものがあり、きっかけの種類によってその後の動きも多様に変化するようです。
どのようなきっかけであれスカトロという性癖は周囲に理解されづらいという不遇な特性を備えていますが、今回の記事を読んでスカトロに対する理解が少しでも深まったら良いなと思います。