「軽々しい気持ちで調教の挨拶した事、ちゃんと反省出来てなかった事、あとは食事の時“SMなんてしてない”って嘘吐きましたよね?…30回ってところですね」
「ほら、お仕置きの挨拶は?」
「…お願いします」
鞭代わりとなったベルトは早速私のケツを打ち据えた。
「っ…!!」
SM倶楽部で鞭は何度か受けた事はあるが、ベルトの方が当たる面積が大きいせいか広範囲に痛みが走る。おまけに素材が硬いからか打たれた瞬間のダメージが凄まじい。派を食いしばって耐えていないと、情けない声が漏れ出そうだった。
「自分で回数を数えるのよ」
なのに彼女は無慈悲にも自ら回数をカウントするように言いつける。私はケツを叩かれるたびに情けなく涙声を発する羽目になった。
ベルトでの鞭打ちが終わった頃にはケツがジンジンと痛み、熱を孕んでいた。途中、不意打ちで背中や太ももも鞭打たれたせいで、痛みは広範囲に及んだ。
「お仕置き、ありがとうございます」
これが彼女からの初めてのSM調教だった。
そしてこの日から私と彼女は上司と部下という表向きの関係でありながら水面下では主従関係が始まった。
こんな関係となった当初は、撮影された痴態写真をネタに強請られやしないかという不安がやはりまだあったが杞憂に終わった。
彼女曰く、純粋に私のような立場ある男を貶め辱め虐げるのが好きなのだそうだ。私の前にも医者だとかどこかの社長だとかを調教していたらしい。
ただ、彼らが自分の前で見せる顔はマゾヒストとしての顔のみ。
その点私は普段は上司と部下いう間柄で、上司という表の顔もマゾ奴隷という裏の顔も両方見られる。
普段は自分の上にいる立場の人間を服従させるのは最高に愉しいとの事だった。
調教の前に寿司が食べたいとか肉が食べたいとねだられるくらいはあるが、彼女にとってはこの程度の役得で充分らしかった。
その代わりSM調教や命令はプライベートだけに留まらなかった。
一緒に会議へ出る時はケツ穴へリモコンローターを仕込むように命令されるし、仕事中も関係なく貞操具を装着させられる事だってある。
会議のたびに遠隔操作でケツ穴を嬲られ、トイレに行くたびに自分は部下に管理されているのだと思い知らされる。
仕事人間な私としては最初こそ戸惑ったものの、今では仕事中のSM命令にスリルという名の興奮を覚えるようになった。
冒頭でも伝えた通り、最近では元妻の部屋が徐々に調教部屋仕様に改装されつつあり、自宅でのSM調教も増えてきた。
次は三角木馬でもDIYしようか、なんて言っていたから自宅でのSM調教はますます本格化するかもしれない。
まさか自分の部下が女王様になるなんて、部下と主従関係を結ぶなんて考えもしなかったけれど、彼女からの初めてのSM調教以来、週末の倶楽部通いはやめてしまった。
それは彼女とのSMプレイの方が金銭的に負担が少ないからとかそういった類ではなく彼女と似たような理由かもしれない。
SM倶楽部の女王様達は所詮私という存在のひとかけらしか知らない。けれど彼女は違う。表の顔も知っているのだ。
だから普段の私は彼女とは努めてビジネスライクに接する。その方が彼女との主従関係が引き立つような気がするのだ。
この関係はいつまで続くか分からない。彼女が飽きたら、他にいい男が見つかったら、もしかしたら同世代の男と結婚するかもしれない。その時私は今の地位を脅かされるような暴露をされるかもしれない。
今の私はそんな可能性すら仕方ないと思えるくらいに、彼女を、そしてマゾヒストという自分のあり方を受け入れている。
羞恥プレイを体験してみたいSM初心者向け
【次⇒】奥さんがいる自宅で遠隔調教。奴隷男に露出やオナニーをさせた女王様の話
コメント