マゾはこうでなければいけない。サドはこうあるべきだ。というのは無いと思っています。
無いと言ってもルールもマナーも何もないということではない。
一定の決まりを守ったうえでそれ以外の事柄を拘束する物はないと思っているのです。
プレイはお互いの関係を深める手段にしかすぎず、NGでなければ何でもいい。
女王様がボンテージじゃなければいけないこともない。M男は必ずしも痛みを伴わなければ調教にならないこともない。
性癖においてとてもマニアックで特殊な世界であるが、とても自由な世界だと思います。
SMの世界こそ“カタ”にハマった概念は取っ払い、純粋に男と女、女主人と下僕の関係を突き詰めていけばいいのだと。
そう考えるのも私の考えであり、これもまた人によって思いは違う。それは違うという人もいるだろう。
自由なので自分の思い描くSMの在り方、マゾの在り方を突き詰めていけばいいと思います。
SMは過激なプレイやマニアックすぎて、人や社会に迷惑をかけるお騒がせな人たちという認識を持つ人もいるが、真にSMを愛する人は人に迷惑をかけず、相手を思いやり、周りに配慮の出来る人のです。そんな人がなかなか理解しがたい性的嗜好を娯楽として楽しんでいる。
だから、迷惑な人がSMっぽいことをした結果、これだから変態は…みたいなことを言われると不愉快になる。
さて、調教中は女王様に身を委ねているのだが、その女王様はM男を観察して行動する。
プレイはなんでもいいと言いましたが、実際には自分の興味のあることで調教が進みます。
M男は心が変態マゾなのだから、崇拝する大好きな女王様から好きなもの(フェチ)プレイで気持ちよさを感じる。
そこをいじめられるのは、嫌だと本当に感じないし、むしろもっと罵倒してもらいたいと本心から感じます。
もっといじられたい、もっと見下されたい、もっとゴミ扱いされたい。
その思いが強ければ強い程興奮するのです。
私は匂いや味を感じるのが好きです。他の誰かの匂いは臭く感じるのですが好きな女王様だと別ですよね。
たとえ3日履き続けたパンティであってもとてもいい匂いがする。それはその女王様の匂いだから。
顔面騎乗も好き、脇の匂いを嗅いだり舐めたりするのも好きで興奮する。
耳の裏や胸の谷間、背骨とお尻の境界線のくぼみ、膝の裏、足の裏や指。本来は体の汚れや匂いが溜まりやすい場所で嫌悪しがちな部分。その人の体臭・フェロモンが出る場所は本能的に好き嫌いを嗅ぎ分ける場所。
そういったところが好きなのです。
その人の生きている匂いや味を感じるのがたまらない。それが強烈であればあるほど興奮するのです。
それが分かっていて、そこを徹底的にいじる女王様、お仕置きとして禁止される女王様の行動もまたマゾ心をくすぐるので楽しさと、もっと信頼を深めて気持ちよくなろうという向上心が湧いてきます。
M男に快楽を与えるために女王様も耐えていることもたくさんあります。痛みも快楽も同じように二人で感じて味わっているのです。
それを感じるとたまらなく高揚します。
M男を見捨てずに付き合ってくださる女王様。
女王様と変態性癖のM男は切っても切れない関係。
お互いの縁を深めるには相手への尊敬と配慮が必要不可欠なので、成熟していないとSMは楽しめません。だからSMは大人の遊びなのです。
SMもだいぶ表に露出してきたジャンルですが、実際に触れたことがない人はたくさんいます。本当はどういうものなのか。表面的にフェチプレイをするだけがSMじゃないというのが少しでも伝わればと思います。