恥ずかしくも今まで出した事のないような喘ぎ声が漏れ出てしまったところでとも美は細長い玩具を手に取った。1,2センチほどの玉が数珠繋ぎになっている。
使った事はなかったが、アダルトビデオでは見た事はあった。アナルビーズというものだ。
「まずはコレを使うわね」
とも美は尻穴に直接ローションを注入すると、ビーズの先端を押し入れた。エネマグラを挿入した時と同じような圧迫感や異物感を感じた。エネマグラとの違いを挙げるとしたら、玉と玉の繋ぎ目があるため異物感が途切れ途切れにやってくる事だ。
そしてその異物感は、ビーズを抜き差しされるたび連続的にやってくる。
そのたびに尻穴は拡がったり窄んだりを繰り返し、最初はただ硬いウンコが出たり入ったりするような感覚でしかなかったものが、徐々にエクスタシーへと変わっていく。
まるで尻穴が笑っているとでも言いたくなるようにそこはだらしなく緩んだ。
「じゃあそろそろコレを使おうかな」
続いてとも美が手に取ったのはお馴染みのもの。そうエネマグラだ。
ビーズが引き抜かれて代わりにエネマグラが挿入される。違和感でしかなかったものが快感となっていた。
とはいえやはりイチモツは何の反応もない。本当にただぶら下がっているだけのお飾りのような存在に成り下がってしまった。
「お尻の穴、ヒクヒクさせてみて」
締めたり緩めたりできるでしょう、と言われ言われた通りにやってみる。すると、エネマグラの先端が当たる箇所に疼くような刺激を感じた。
「どんな感じ?気持ちいい所に当たってない?」
私が頷くと、
「そこが前立腺よ」
と言われた。
「後はもう体の力を抜いてリラックスしながら、前立腺の快感にだけ集中して」
とも美はそう言うと、再び愛撫が始まった。
特に乳首と蟻の門渡りを中心に弄ばれる。乳首を刺激されると自然と尻穴がひくついてエネマグラの先端がいい箇所に当たる。
蟻の門渡りは指で小刻みに振動を加えながら圧をかけられた。その刺激はダイレクトに前立腺へと伝わり、中の疼きが一層高まる。
「チンコはね、起たない方がアナルは感じやすいのよ。前立腺の快感に集中できるでしょう?」
とも美の話になるほど、と思った。
そうするうちに何とも言いしれぬ快感が内側からこみ上げてくる。自然と腰が揺れ、尻穴は自分でも制御できないほどにひくつきが止まらない。喘ぐ声も治りが利かなくなる。
本能的にこれが絶頂の予兆だと感じた。
「イク…」
「イク…」
言葉が自然と漏れた。その瞬間だった。体内で快感が弾け、全身に歓びをもたらすような感覚に襲われた。
上手くは言えないが、アナルの中に仕込まれた風船の中に性感が溜まっていきやがてパンパンに膨らんで破れ弾けたような、そんな感覚だった。
全身がだらしなく弛緩する。ああ私は前立腺でオルガズムを会得したのだと実感した。
アナルの歓びこそ我が人生の終着点
ビッグバンで宇宙は誕生した。巨大な爆発から宇宙は生まれたのだ。そして今日でも宇宙のあちらこちらで小さな爆発を繰り広げ新星を生み出しているという。
前立腺での歓びもそれに似ていると私は思う。
最初に大きな快楽が爆発的にやってきて、その後穏やかな快感が立て続けに弾ける。
射精は一度爆発したらそれで終わりなのに、アナルでは何度も何度もオルガズムを迎える事が出来るのだ。
私はアナルの歓びを享受するたび、小宇宙を生み出していると言ってもいいかもしれない。
前立腺開発をしてからというもの、私の性生活は一変した。イチモツでは味わえない快感を手に入れたのだ。
出会い系でのガールフレンド探しも再開した。今度はアナルに興味のあるレディーが相手だ。
そうやって今は自らバイブを使ったり、あるいはガールフレンドと戯れたりしながら毎日のように前立腺開発で悦楽に耽る日々を送っている。
70歳を過ぎて新たな性感を会得できるとはまさに僥倖(ぎょうこう)である。
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