僕は彼女と出会うまで、自分がMだなんて考えた事もありませんでした。
かといってSかと言えばそういうわけでもないのですが、とにかく僕はSMとは無縁な日々を送っていました。
そんな僕が彼女と出会ったのは1年前の事。
たまたま入ったバーのカウンターで一人飲んでいたのが彼女でした。店内にはボックス席やテーブル席に数組の複数客がいましたが、一人客は僕と彼女の二人だけ。自然と世間話が始まり、最終的に連絡先を交換する流れになりました。
それから数回一緒に食事に出かけ、お互い好意的な印象を抱いているのを感じたのでそのまま付き合う事に。
このように、僕と彼女の出会いはごくありふれた男女の出会いと言えるものでした。
けれど、この出会いが僕の性癖を一変させるものとなったのです。
彼女との初セックスは付き合ったその日、食事の後に流れ着いたラブホテルで。
それまでセックスの経験はあれど、やっぱり初めての相手との初セックスは多少なりとも緊張するもの。そんな心の内を悟られないようにするも、どちらかというと彼女の方が積極的で、自分よりも経験豊富な印象を感じました。
そうなると主導権も彼女に握られるのは必然で。
「もうこんなに大きくなってる」
「こうされると気持ちいいの?」
「ねぇ、どうされたいか言ってみて」
僕の上に跨がりながら、こんな言葉と共にチンコや金玉、会陰を愛撫する彼女。
今まで付き合った彼女とは僕の方がリードする側だっただけに、これはこれで新鮮でした。というか、金玉舐めや会陰マッサージなど、今までされた事のない愛撫に僕の体は大興奮でした。
最終的には騎乗位でイカされた僕はこの日初めて、受け身だけでイカされる快感に目覚めたのです。
二回目のセックスはそれから約10日後。二人でショッピングをして食事をして、といったごくありふれたデートの後の事でした。
前回と同じようにベッドに寝かされた僕は、彼女からの愛撫を受け入れます。
彼女の舌が僕の舌を絡め取っての濃厚キスから始まり、首筋や乳首、脇腹へと彼女の舌と唇が這う感触にくすぐったさを感じながらも、既に股間は期待でビンビンに。
彼女の舌が下腹部を這い、次はいよいよフェラチオか…という時でした。
「ねぇ。今日は使いたいものがあるの」
と、彼女がベッド脇に置いていたバッグから取り出したのは一枚のスカーフ。
それを何に使うか分からないという不安はあったものの、それ以上に好奇心の方が勝った僕は彼女の提案を受け入れました。
すると彼女はそのスカーフで手際よく僕の両手首を縛ったのです。
人間、いきなり手を縛られて動きを封じられると途端に不安が襲うもの。僕は咄嗟に手を捩ってみましたが、固く結ばれているであろうそれはびくともしませんでした。
「大丈夫、危ない事はしないから」
という彼女が次にバッグから取り出したのはクリップ状の道具。これも何に使うかすぐにはピンときませんでしたが、アダルト玩具だというのは予想がつきました。
彼女はそのクリップを僕の乳首に挟むとスイッチを入れます。
「あぁっ!んっ…」
いきなりの刺激に僕は思わず恥ずかしい声を漏らしてしまいました。その刺激は気持ちいいというよりもくすぐったくて、すぐにでも逃れたい気持ちでいっぱいでした。でも僕の手はスカーフで縛られていて、クリップを外す事はできません。
「ちょっと…くすぐったいから外してよ」
「大丈夫、だんだん気持ちよくなってくるから」
彼女にお願いするも軽くあしらわれ、僕はただただ身じろぎするしかありませんでした。
そうするうちに彼女は僕のチンコを咥えてフェラチオを始めます。
乳首はくすぐったいのに、チンコは気持ちいい…
今まで味わった事のない感覚でした。
フェラチオでイキそうになる少し手前まで上り詰めるも、あと少しという所で唇が離れ金玉舐めに移行。チンコが少し落ち着くとまたフェラチオされて…が繰り返されます。
その間、同時に会陰マッサージもなされ、乳首はずっと玩具で刺激されっぱなしです。
くすぐったいのに気持ちいい…
くすぐったいけど気持ちいい…
くすぐったいから気持ちいい…?
チンコ周りをフェラチオや手で愛撫されているうちに、最初はくすぐったいだけだった乳首に快感が訪れるようになりました。
乳首が気持ちよくなったのか、腰が揺れてしまうほどチンコが気持ちよくて体が勘違いしているのか、僕にはわかりませんでしたが、くすぐったさの奥に甘く痺れるような感覚を覚えたのです。
「ねぇ。私もしたくなっちゃった。入れていい?」
「うん」
そう言って彼女は僕の腰上に跨がると、あと少しでイキそうな僕のチンコをマンコで飲み込みました。
フェラチオとは違う肉壁の絡みつく感触に、僕のチンコはさらに怒張します。
「また大きくなっちゃったね」
そう言うと僕のチンコを肉壁で締め付けながら腰を上下に動かす彼女。そのたびにチンコが肉壁に吸い上げられるような感覚に陥り、僕は早々にイッてしまいました。
手を縛られて自由を奪われ、気持ちよくもない乳首を玩具で弄られる。
本来なら二度とされたくない行為のはずなのに、僕はこの日のセックスが忘れられないでいました。何ならこの日のセックスを思い出して自分で乳首を弄ってしまう程に…。
「あっ…んっ…」
「乳首で感じるようになったんだ?」
「あはぁっ…気持ちいい…」
「じゃあもっと気持ちよくしてあげるね」
「んふっ…うぅ…んっ…」
自分でも弄ってしまっていたせいか、彼女との三回目のセックスの頃には僕の乳首はもう完全に性感帯となっていました。
「あれから自分で弄ったでしょ?」
と彼女にも見抜かれ、まるで男性が女性にするように、乳首を舌や指でこねくり回しながら愛撫する彼女の舌遣い、指遣いに僕は思わず甘く喘いでしまって。チンコも立ってしまって。
「乳首を触られただけでエロい声で喘いで勃起しちゃうなんて思ったより敏感な体だね」
彼女はイジワルな笑みを浮かべて言いました。そしてこう続けたのです。
「もっと感じやすい体にしてあげようか?」
たった三回のセックスですが、既に彼女のセックスに夢中になっていた僕に拒否するという選択肢はありませんでした。
「じゃあ、四つん這いになってみて」
とはいえ、未知の体験に不安がないとは言えません。僕は恐る恐る彼女の言う通り、ベッドの上で四つん這いとなりました。
すると間もなく、肛門にヌルリとした感触がありました。思わず腰が引けてしまいます。
「大丈夫、ローションだから」
と彼女の声が聞こえたかと思うと、今度は肛門の中に細長いものが侵入してきたのです。
「うっ…!」
痛みはありません。けれど、肛門に細いウンコが挟まっているような、そんな感覚がありました。それは決して気持ちいいものではありません。
そうする内に細長いものはゆっくりと動き始め、抽送を繰り返します。それは彼女の指のようでした。
「知ってる?慣れてくるとここも性感帯になるんだよ」
彼女は抽送を繰り返しながら、腸壁に沿って円を描くように指を這わせます。
自分はしたいともされたいとも思った事はなかったけれど、アナルセックスというのがあるのは知っています。それだけにここが性感帯になるのは、理屈では想像がつきますが、いざ自分がされてみると全くピンとくるものはありません。
それだけにさっきまで立っていたチンコも萎えてしまいました。
でもそんな時でした。彼女が会陰をマッサージしながら直腸の中の一部分を刺激し始めたのです。
途端に奥から疼くような感覚が沸き立ってきました。自然と腰が揺れてしまいます。
「ここがイイんでしょ?」
「んっ…はぁ…」
彼女はさらにその部分に圧を加えたり擦ったりしながら刺激します。
チンコの気持ちよさとは違った、オシッコが出てきそうな感じの内にこもった快感に思わず声が漏れてしまいました。
でもこの日は性感帯という程の快感を得る事はできませんでした。
けれど、これまで一切アナルに興味のなかった僕が好奇心を抱くには十分な疼きでもあって。
この日から僕はアナルの性感帯まで彼女に開発される事になったのです。
初めてアナルでイッたのはこの日から2ヶ月ほど経った頃。
肛門がビクビクと痙攣したかと思うと、体内で鬱屈した疼きが全て解放されるような、射精とはまた違った快感に出会う事が出来たのです。
乳首に続いてアナルまで性感帯にされた僕はもう、彼女から与えられる性感の虜でした。
目隠し、亀頭責め、潮吹き…
彼女は次々と僕の体に秘められていた性感帯を暴いていきます。
そして、彼女と出会ってから一年経った現在――
「あぁっ…もっともっと…!乳首をいじめて…!」
「まだ乳首しか触ってないのにもうチンコから我慢汁が垂れてるよ?」
「はぁ…ん、乳首だけでイキそうかも…」
「そんなに簡単にイッたらつまらないでしょ?まあチンコにはコックリングをはめてるから簡単にはイケないだろうけど」
「やぁ…もうやだ…早くイキたい…」
「もう、我慢の利かないヘンタイだなぁ。そんなにイキたいならコッチでイッてみる?」
「あはふぅ…ん…」
「まだアナルにバイブ入れただけだよ?スイッチも入ってないのにエロい声だして、ヘンタイの上に淫乱だね」
「ここからどうしようかなー?」
「ねぇ、どうしてほしい?」
「イカせて…全部…おかしくなるくらいイカせてほしい…」
僕は全身性感帯の真性Mにまで堕ちてしまいました。
コックリングを装着されたチンコを窮屈に勃起させながらアナルではバイブを飲み込み、乳首をいじめてほしい、おかしくなるくらいイカせてほしい、と懇願するような真性Mに…
「じゃあまずアナルバイブのスイッチ入れちゃうね」
ブブブブブブブゥゥゥゥ!!!
「あぁぁあぁんっ…!!」
「アナル、そんなに気持ちいいの?これで乳首弄ったらどうなるかな?」
「ひゃあぁあぁぁん…っん!!」
「すっごいいやらしい声出して、私まで興奮してきちゃう」
「せっかくだから亀頭も一緒にいじめちゃおうかな?」
「ああぁぁぁぁあぁぁあぇんあぅぅんっ…んっあぁんっ…!!!」
乳首が、アナルが、亀頭が、狂いそうなほど、壊れそうなほど気持ちよくて…僕は気が触れそうで…
セックスのたびに全身性感帯となった体を彼女に弄ばれながら、最後は盛大に潮や精液を噴き散らしながらイッてしまうのです。
まさか1年前、偶然出会った彼女に全身性感帯に開発されるだなんて思いもよりませんでしたが、それまで知る事のなかった性感を開発されて、性欲にどっぷり溺れてしまうセックスライフを送る日々も悪くないと思えるのはやはり僕が真性Mだからでしょうか…。
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