44歳、職業・女装子。
これが今の私の肩書きです。
初めて女装をしたのは40歳の時。
それまでの私はヘドロの中をもがくような人生でした。
これは女装をきっかけにクソったれた生活から這い上がった一人の男の話です。
20代で借金生活
父が亡くなり、多額の借金を相続する羽目になったのは21歳の時でした。
といっても父が亡くなった時点で借金の存在は知りませんでした。
自宅は持ち家、預金もそれなりにあっただけにこれを使えば当時通っていた大学にもそのまま通えそうだと安易に相続してしまったのです。
ところが、それから数ヶ月経った頃。見知らぬ人間が自宅を訪ねてきました。
そして父の借金を返済するよう迫られたのです。
“とりあえず5万、10万だけでもいいから返してほしい”
このような事を言われました。
この時点で一度保留にして誰かに相談していればまだ救われたかもしれません。
けれど私は相手の勢いに押された事もあり、5万程度なら…と渡してしまいました。