「ここがちょっと分からないんですけど…」
「ああ、これはね――」
一度彼から話しかけてくれればこっちのもの。声を掛けてくれたという事は少しは心を開いてくれたという事なので、勉強の手助けをしつつ一気に距離を縮めます。
一時間半後、勉強は一段落つきました。そろそろ帰るという彼を今度は本格的に誘います。
「よかったらこの後ご飯に付き合ってくれますか?友達と食べる予定がなくなってしまったから、一人じゃ寂しくて」
ここでもあのささやかな嘘が役に立ちました。彼からは“僕でよかったら”という返事。私は心の中でガッツポーズしました。
こうして私はたまたま見かけただけの自分好みの可愛い系男子を狙い通り食事に誘うところまでこぎ着けたのです。
お酒は飲めるというので私は立ち飲みスタイルのバルへ誘いました。何故かというと自然と肉体的な距離感を縮められるから。
普通のレストランや居酒屋だと対面に座るのが基本なので肌が触れ合う事はないですよね。
けれど立ち飲みスタイルのお店だと隣り合って飲む形になるので肌が触れるのも違和感がありません。
必然的に自然と肉体的な距離を縮められるのです。

最初は普通にお互いの身上を話します。
そこで分かった彼の事というと、名前はユウタ。
21歳の大学生で地方から出てきた。彼女はいたけれど3か月前に別れた、将来は私と同じような金融関係の会社への就職を目指している、という事。
それだけにやはり自然と仕事や就職の話が中心になりました。
けれど私の目的はそういう話をする事ではありません。話の間もさりげなく彼の手に私の手を掠めたり、彼の腕に軽く肩を当ててみたりして反応を確かめます。
最初は咄嗟に手を引っ込めたり、少し離れて距離を開けたりする彼でしたが、お酒のせいもあるのか一時間もするとそういった反応は見られなくなりました。
彼のパーソナルスペースが狭まった証です。
そこでようやく仕掛けます。
私は彼の指に自分の指を絡めました。
驚いた表情で私を見る彼。
私は酔った風を装いつつ、さらに体を同士を密着させます。
もし脈がなければ何かしら拒否反応を示すはずです。けれど彼はそんな私の行動を咎める事なく受け入れてくれました。
確実にイケる。この時私は確信しました。
食事を済ませて店を出ます。
どちらからともなく繋がれる手。きっと彼もこの後の展開を期待しているはずです。
「この後どうしよっか…?」
そう言いつつホテル街のある方へ向かう私。
「どうしましょうか…」
質問を質問で返すあたり受け身な雰囲気が伝わります。より可愛さが引き立ちました。
「…ホテル、行く…?」
顔を覗き込みながら誘うと小さく頷く彼。恥ずかしそうにする仕草が私の心をくすぐります。



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